ご本人の希望を叶えるために(支援センター)

  • 就労移行支援事業所を卒業し、一昨年から就労継続支援A型事業所で働き始めたMさん

A型事業所には休まず通い、仕事もしっかり取り組めており、職員や他の利用者とも仲良くしていた

ので、定年になるまでここに通いたいという希望を持っていましたが、一つ大きな悩みがありました。

実はMさんは自転車、鉄道、施設の送迎車を乗り継ぎ、2時間かけて通所をしていたのです。

往復4時間の移動は体の負担が大きいため、このまま定年まで働けないかもしれないという不安があったのです。

そこで、支援センターが生活相談にのることになりました。

 

家を出て、今の施設に通いやすいところで生活がしたいという本人の希望に合わせ、本人、家族、

相談員で話し合いを行いました。家を出て生活することに不安を感じているご家族の気持ちや自立

した生活をしたいというご本人の気持ちを聞き、利用できるサービスや福祉制度についての説明を

行う中で、通所しながらの一人暮らしは負担も大きいため、支援を受けながら生活することができる

グループホームを利用したいとご本人、ご家族が納得して決めることができました。

グループホームがどこにあり、入居者がどのような生活をしているのか分からないというご本人、

ご家族の話しを受け、通所しやすい範囲にあるグループホームの情報提供を行い、その内のいくつか

のホームへ一緒に見学に行きました。

しかし、建物の設備、生活のリズム、利用状況などの条件が合わず、入居できるホームはなかなか

見つかりませんでした。

そんなときに身体障害者が生活しやすいよう設備が整い、JRの駅まで歩いて行くことのできる

グループホームがあるという情報を相談員が聞き、ご本人、ご家族へ情報提供をしたところ、

「すぐに見学に行きたい」という希望があり、見学日程の調整を行いました。

グループホーム花豆は広くて明るい建物で、職員の対応もとても良く、ご本人もご家族も一目で気に

入り、入居をしたいという話になりました。

 

 

入居にむけて、最初に出てきたのは、ご本人の年金や給料の中でグループホームの家賃や食費などを

払い、生活ができるかという心配でした。そこで、ご本人の収入、支出を計算することになりました。

計算してみると無駄遣いをしなければ充分に暮らしていけることが分かりました。

また、グループホームで生活するにあたり、集団生活のルールや約束など、ご本人に分かりやすい

ようにふりがなやイラストを使った「Mさんの約束事」を作成し、ご本人と確認を行いました。

そして、肝心の通所方法について、グループホームでの食事時間や電車の時刻表、施設の送迎時間

などを本人と一緒に確認し、通所のスケジュールを作りました。その結果、約1時間で通所できる

ことが分かり、Mさんはとても喜んでいました。

 

 

入居に当たっての準備が整い、サービス等利用計画を作成するためのサービス担当者会議を開催

しました。当日Mさんはご家族と一緒に早めに来て、グループホームから最寄りの駅まで歩いて道を

確認してきたと話していました。駅員に方に「よろしくお願いします」とあいさつをしたところ、

定期券の使い方を丁寧に教えてもらえたそうです。

会議の場でご本人、ご家族、関係機関で話し合いが行われ、Mさんの支援方針が共有されました。

このような手続きを行い、昨年9月、ついにグループホームに入居することができました。

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グループホームに入居してからは「通勤時間が半分になり、とても楽になった」「これで定年まで働け

る」と本人はとても喜んでいます。

また、自宅にいたときはあまりできなかった部屋の片付けや掃除も「世話人が声を掛けてくれるから、

自分でもやれるようになっている」と話されていました。

そして、3年前に心臓の手術をしてから、参加をしていなかった障害者スポーツ大会に参加することも

できました。どうして参加する気持ちになったのか聞いて見ると「花豆でおいしいごはんを食べて、

元気になったので、参加してみようと思った」と言うことでした。短距離走で一位になり、金メダルを

もらったと見せてくれました。

部屋の中には、入居する前に確認した「Mさんの約束事」が分かりやすい場所に張ってあり、「毎日こ

れを見て約束を確認している。そのおかげで約束はきちんと守れている」と笑顔で話しをしてくれまし

た。

家族の方々も「バランスの取れた食事を三食きちんと食べているので、体調を崩すことが無くなった」

「花豆に入居できて良かった」と話しています。

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ご本人の希望を聞き取り、ご家族と相談しながら、ご本人に合った生活の場所が見つかり、笑顔で生活

することができ本当に良かったと思います。

実はMさんは4年前に「一人暮らしがしたい」と突然、支援センターに相談に来てから相談支援を行っ

ています。この4年の間、ご本人、ご家族、関係機関と連携を取りながら、日中活動、余暇活動、金銭

管理などの支援を行っていました。そして今回グループホームへ入居することができ、最初に来た時に

本人が希望していた「支援を受けながらも自立した生活」にまた一歩近づくことができました。

これからもご本人の希望を叶え、笑顔を支えるため、支援を続けて行きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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